日本伝統飴細工の専門店

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あめ細工吉原では、飴細工の楽しさを次の世代に伝えるため、小学校や中学校を訪問し、実演と講演を行う活動を続けています。江戸時代から続く伝統的な飴細工の技法を現代に受け継ごうと決心し、独立独歩で職人の道を歩んできた弊社代表・吉原孝洋の体験は、中学1年生向けの教科書「キラリ☆道徳」(正進社)で勤労の尊さを考える題材として取り上げられるなど、学校教育の現場で生徒たちに伝える価値のある内容ともなっています。
こうした教育現場との関わりもあり、あめ細工吉原谷中店で常時開催している飴細工体験会には、多くの生徒たちや親子連れに足を運んでいただいております。修学旅行で東京を訪れた全国各地の生徒たちが地図を片手に谷中店を訪れ、体験会に参加していくことも珍しくありません。このようなかたちで飴細工の楽しさを多くの人たちに知っていただくことは、私たちにとって大きな喜びでもあります。

学校教育の現場で行われた飴細工の実演と講演の事例として、平成29年(2017年)11月29日、東京都豊島区の豊島区立西池袋中学校で行われた特別授業の様子をご紹介します。

この日の特別授業は、西池袋中学校の体育館で全校生徒五百数十人が出席して行われました。講師の吉原孝洋は体育館の床面に置いた机に愛用の飴細工実演セットを備え付け、目の前の床面に3年生が吉原を囲むように座り、その周りを椅子に座った1年生と2年生が取り囲みました。ステージ上ではなく、床面で実演を行うことで講師の吉原と生徒たちの距離が近く、ちょうど大道芸人の周囲を見物人が取り囲むような臨場感あふれる配置でした。飴細工実演セットの近くにはビデオカメラが設置され、講師の手元が背後のスクリーンに拡大投影される仕組みになっており、後方に座った生徒たちも職人の手さばきを間近にみつめることができました。こうした効果的な配置は西池袋中学校の先生方が工夫してくださったものです。生徒たちの注目が高まる中、校長先生から吉原の紹介があり、特別授業が始まりました。
「まず、あめ細工がどういうものか、実際に見てもらいます」
講師の吉原は、何の説明もしないまま、手を動かし始めました。約80度に温めた飴を丸め、鮮やかな手さばきで形を整え、和裁用のにぎりばさみで切り込みを入れると、あっという間にかわいらしい真っ白なうさぎが現れました。じっと見つめていた会場の生徒たちからは「おおー」というどよめきが聞こえてきました。こうした発見と驚きはライブ実演の醍醐味です。
生徒たちの反応をみながら、吉原は江戸時代から伝わる飴細工の技法について、説明を始めました。使う道具はハサミ1本だけで、あとは職人の技だけで作っていくこと。うさぎの赤い目を彩った着色料は自然素材に由来する食紅で、江戸時代には女性の口紅として使われていたこと。伝統的な職人技を間近に見る機会はなかなかないので、生徒たちにはとても新鮮なようです。

一連の説明を短めに切り上げ、吉原はテンポよく2個目の飴細工を作り始めました。アツアツの飴に青色の着色料を練り込み、尾の部分を手際よく伸ばすと、今度は青いイルカが完成しました。会場の生徒たちには、またもどよめきが広がります。
「飴細工はやっぱり実演が一番です。こうやってお客さんとお話ししながら、リクエストに応えてちゃんとみられる飴細工を目の前で作るとその場がとても盛り上がり、お客さんにとってはとても楽しい思い出になります。大道芸やエンターテインメントのようなかたちです。飴細工は最終的に全部なくなってしまうものだから、飴細工すごく楽しかったな、という思い出だけがお客さんの心に残るわけです」
実演で作ったばかりの飴細工を片手に持ちながら、吉原は生徒たちに語り始めました。
「楽しい思い出が心に残るということは、飴細工にとってすごく重要なことです。江戸時代の資料を調べても、飴細工をやっている職人の周りには子供達がたくさん集まっています。楽しい思い出が子供達の心に残り、その子供達が大人になったとき、自分の子供にもそれを伝えたくなる。そうやって、飴細工は江戸時代から続いてきました。そういうことをすごく大切にして、私たちは飴細工を作っているわけです」

こうして生徒たちにひとつメッセージを伝えると、吉原は再び飴細工の実演をスタートしました。まずは、手が込んでいて、飴細工として難しいとされるペガサスを披露。生徒たちに伝えたいメッセージがあまり説教臭くならないように、実演のパフォーマンスと組み合わせながら、生徒たちの関心を引き寄せていくことも、お客さんとのやりとりを大切にする飴細工職人ならではの巧みな手腕と言えそうです。
続いて、会場の生徒たちから飴細工のリクエストを受けました。即答してくれた男子生徒のリクエストで猫がお題となり、吉原は江戸時代から人気のあった三毛猫を選びました。猫のしっぽを躍動感あふれる飴細工に仕上げると、会場から再び大きな拍手が-。
ここで吉原は、道徳の授業のテーマである職業について、話題を向けました。現代の飴細工師を目指した吉原の体験は冒頭でお伝えしたように中学1年生向けの教科書「キラリ☆道徳」(正進社)で勤労の尊さを考える題材として紹介されており、学校関連の講演では職業選択にまつわる話を期待されることが多いのです。
「子供のころに縁日などで飴細工が好きだったので、卒業が迫って職業を考えるときに『飴細工って面白いな』と思ったけど、飴細工には学校もない。それで、最初、僕は料理を作る仕事を選びました。たまたまそれがイタリア料理でした。そうやってイタリア料理を習いたいなと思ううちに、本場のイタリアに行きました。いろいろなお店を見て回って、それが一番の転機になりました」
「そのときに、お金がなくて、いろいろな学生たちが集まっている宿がいくつもあって、そこでいろいろな国の人とお話しをしました。日本のことをいろいろ聞かれました。『お前は日本人だろ、日本のどこがいいんだ?』とか、食べ物も寿司とか天ぷらとかの話になって『なんでそれが日本にあるんだ』という話になりました。でも、僕はうまく答えられなかったのです。外国人は日本のことにとても興味があって、いろいろ聞いてくるのに、日本人である自分がちゃんと答えられない。それがとても恥ずかしかった。そのときに、僕は『自分は日本人だな』と改めて感じました。それでイタリアから日本に帰ってきたときに、仕事もなかったので、子供の頃やりたかった飴細工を思い出し、やろうと思い立ったわけです」。
世界に飛び出した吉原の体験談を会場の生徒たちは興味津々で聞いていました。無駄話をする生徒はひとりもいません。そのくらい会場の気持ちがひとつになっていました。吉原はそんな生徒たちの表情をみながら、話を続けました。
「飴細工を教えてくれる学校はありません。そこで、僕はお祭りにいき、いろいろな飴細工師に『どうやったら飴細工ができるようになるんですか』と聞いて歩きました。そのなかで、おじさんがひとり、「教えてあげるよ」と言ってくれたのです」
「でも、それは給料がないんです。落語家とかと同じです。いままでの貯金を取り崩しながら、その先生について、飴細工を習い、それを家に帰って練習するわけです。『なるほど、こうやるのか』とだんだんできるようになってくる。できるようになると、その先生が同じ日に二つ仕事が入ったりして『君、この仕事に行ってくれないか』と言ってくれるようになる。そうすると、その仕事に行ってもらったお金が収入になっていき、だんだん生活が成り立ってくるわけです。会社に勤めてお給料をもらう生活とは全く違います。これは僕も想像できませんでした。僕はいま、そういう生活で飴細工を初めて15年くらいになります」
こうした吉原自身の体験は中学1年生向けの教科書「キラリ☆道徳」(正進社)で取り上げられた内容でもあります。吉原は、最後に生徒たちにメッセージを発信しました。
「教科書に載っているのは、9年前くらいに僕が話した内容です。そのときから、飴細工をずっと続けてくることができました。なぜ続けてくることができたかというと、それは僕が飴細工をとても好きで、飴細工を作っている時が楽しいからです。それがありがたいことに自分の職業となって、いま働いているという状態になっています」
「僕がみなさんに言いたいことは、好きなことを仕事にすることはすごく楽しいことだということです。そして、好きなことを仕事にするのなら、その好きなことが誰よりもうまくなければいけないのです。これは僕が弟子入りして修行していてわかったことです。だから、もし好きなことがあったら、なんでもいいから、一生懸命取り組んでください」
好きなことを仕事にするのは楽しい、だからこそ一生懸命やらなければならない-。吉原が生徒たちに伝えたかったメッセージはとてもシンプルなものでした。
吉原は生徒たちに「きょうは飴細工を楽しんでもらって、次に飴細工をみたときに、自分の好きなことを楽しく思い出してくれると、大変うれしく思います」と語って、話を終えました。

質疑応答の時間になり、会場の生徒たちから吉原に「これからの夢はなんですか?」と質問が飛び出しました。
吉原は少しはにかみながら、こう答えていました。
「僕はこの飴細工の世界をずっと残していきたいのです。この飴細工がずっと世界や日本に残る取り組みをしたいと思っています。実際にいま、僕のお店では3人働いていて、そのうちひとりは僕と同じくらい作れるようになった女の子がいます。そういう風に、この先も飴細工ができる人がどんどん増えていって、飴細工がどういうものかたくさんの人に知ってもらいたいし、そういう活動をしていきたいと思っています」
こうして特別事業は終わり、会場はあたたかな拍手に包まれました。

校外学習向け飴細工体験会のご案内 https://ame-yoshihara.com/workshop/workshop_student/

正進社版「キラリ☆道徳」 https://www.seishinsha.co.jp/book_c/detail.php?b=273

~主な実績(抜粋)~
特別授業講師・講演

港区立南山幼稚園/港区立麻布幼稚園/港区立芝幼稚園/サンモールインターナショナルスクール/文京区立根津小学校/豊島区立西池袋中学校

校外職場体験・研修等の受け入れ

文京区立茗台中学校/北区立田端中学校

校外学習による飴細工体験会の受け入れ先

北海道:
空知郡奈井江中学校
青森県:
八戸市立中沢中学校
岩手県:
盛岡市立下小路中学校/盛岡市立黒石野中学校/盛岡市立北陵中学校/盛岡市立河南中学校
奥州市立東水沢中学校/奥州市立胆沢中学校/宮古市立宮古西中学校/金ヶ崎町立金ヶ崎中学校/宮古市第一中学校
宮城県:
富岡町立東向陽台中学校/利府町立利府中学校/岩沼市立岩沼中学校/大衡村立大衡中学校/柴田町立船迫中学校/石巻市立雄勝中学校/涌谷町立涌谷中学校/富谷市立富谷第二中学校/七ヶ浜町立七ヶ浜中学校(特別支援学級)
秋田県:
秋田県立横手支援学校高等部
山形県:
庄内町立余目中学校/酒田市立東部中学校/天童市立天童第一中学校/山形市立金井中学校/山形市立第五中学校/米沢市立第四中学校/戸沢村立戸沢中学校
福島県:
泉崎町立泉崎中学校
東京都:
世田谷区立東深沢中学校/調布市立第8中学校/葛飾区立東金町中学校/町田市立小山田中学校/新宿区立西戸山中学校/三鷹市立第七中学校/私立三田国際学園/清瀬市立清瀬第五中学校/私立共立女子高等学校(食物研究部)
千葉県:
船橋市立三山中学校/市原市立三和中学校
神奈川県:
川崎市立宮崎中学校/川崎市立橘中学校/私立湘南学園中学校/私立東海大学付属相模中等部
愛知県:
知多市立東部中学校/岡崎市立甲山中学校/岩倉市立岩倉中学校/豊田市立豊南中学校/豊田市上郷中学校/半田市立亀崎中学校/新城市立鳳来中学校/西尾市立西尾中学校/西尾市立福地中学校/長久手市立南中学校/小牧市立北里中学校/大府市立大府西中学校/扶桑町立扶桑中学校
岐阜県:
大垣市立興文中学校/垂井町立北中学校/中津川市立蛭川中学校/大垣市立東中学校
富山県:
小矢部市立大谷中学校
和歌山県:
御坊市日高川町組合立大成中学校
滋賀県:
彦根市立彦根中学校/大津市立真野中学校
福井県:
坂井市立丸岡中学校

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